AI開発の需要の増加に伴い、新職種のアノテーターが注目を浴びています。AIに読み込ませるための教師データを作成する職種を指しますが、どのように採用すれば良いのでしょうか?新職種のアノテーターが注目を浴びる理由とは?アノテーターの募集方法とは?アノテーターを募集する際の注意点とは?この記事を読めば、AI開発におけるアノテーターの起用方法がわかります。ぜひ、教師データの作成をお考えの方は、この記事を参考にしてみてください。アノテーターとはアノテーターとはアノテーション業務を担う職種をいいます。 アノテーション業務とは、画像・動画・音声・テキストなどの対象データにラベル付けを行い、教師データを作成することをいいます。AIモデルに教師データを読み込ませることで、出力結果の正否が判断できるようになるため、AI開発で重要な役割を担う職種として注目を浴びるようになりました。補足:アノテーターは重要な役割を担うAI開発の基本的な流れは以下の通りです。AI開発では「データ収集」と「ラベル付け」の工数が大きな負担となります。また、教師データの品質によりAIの精度が変動するため重要な役割を担っているのです。海外では、アノテーターがプログラマーと同様の重要性を持っているとも言われています。(出典元:adish「インターネットモニタリング」) アノテーターの募集方法アノテーターを募集する場合は「社内採用」「アウトソーシング」「AI開発支援会社」の3つの方法があります。1.社内採用社内採用とはAIエンジニアを採用したり、アノテーション業務作業員を採用したりしてアノテーション業務を内製化することをいいます。社内採用のメリットは、進捗管理がスムーズに行えて意思疎通のミスが起きにくいことです。AIエンジニア自身がアノテーション業務を行えば確認作業の工数は少なく済みます。しかし、AI開発に必要な教師データは膨大な数となります。これらを社内で完結するのは困難でしょう。したがって、少量の教師データを作成する場合は社内で完結させる方法がおすすめです。AIエンジニアとアノテーション業務作業員を採用する際の募集条件は下記を参考にしてみてください。2.アウトソーシング簡単な作業であれば、アウトソーシングを活用する選択肢もあります。アノテーション業務はPCと通信環境があれば作業が行えます。アウトソーシングの魅力は、期間を限定した契約が締結できることです。また、柔軟にスケールアップができることも魅力的です。オフショア(物価や人件費が安い海外に業務委託すること)を活用して外注費を安く抑えることも可能です。しかし、オフショアの場合は、意思疎通が取りにくく、希望していた成果物が得られないなどのトラブルが多いです。業者については、アウトソーシングの平均相場を参考にしつつ(アノテーション業務作業員の賃金を考慮にしつつ)、クオリティーや評判等を比較考慮しながら選定するのが良いでしょう。3.AI開発支援会社AI開発支援会社は、豊富な知識を保有しています。AI開発の流れを熟知しているため、仕様書作成やマネジメントまで全てをお任せできます。教師データ作成の失敗要因も熟知しているため、品質の良い教師データを作成してもらうことができます。近頃はプラットフォームを活用した作業工数、管理業務の効率化で料金体系がリーズナブルになってきました。高品質な教師データを低価格で作成できるようになってきています。AI開発支援会社の料金目安は「アノテーション代行サービスの費用相場とは?内訳まで徹底解説」を参考にしてみてください。 アノテーション業務の内製化が難しい理由アノテーション業務を内製化したいと思っている方もいるでしょう。しかし、多くの企業が外部委託を選んでいます。なぜ、アノテーション業務の内製化は難しいのでしょうか?ここでは、アノテーション業務の内製化が難しい理由について解説します。社内で対応できない作業量少量データのときは、内製化でアノテーションを行うことができますが、画像データ量が例えば10、20万枚のように多くなる社内で作成することは難しいです。社内のアノテーターに膨大な数のデータ作成を依頼しても集中力は途切れてしまうし、品質管理の担当も別途必要になり想定以上にコストがかかります。無理に内製化させることはおすすめしません。スケールアップがしにくいAIモデルに教師データを読み込ませた結果、より多くの教師データが必要だと気づくこともあります。例えば、画像認識システムを開発する上で、向きや角度を変えた教師データが必要だと気付くこともあるでしょう。このようなスケールアップをしなければいけないとき、社内アノテーターでは柔軟には対応できません。補足:外部委託よりコストが上がる恐れもある社内のAIエンジニアがアノテーション業務を担えば、レビューの工数が削減できます。高品質な教師データを作成できるでしょう。しかし、AIエンジニアの給料とアノテーション業務の費用を比較すると割に合わなくなります。その一方で、アノテーター業務を担うパートタイマーを採用した場合は教育コストが発生します。その結果、外部委託より、料金が高くなる場合もあるため注意しましょう。 外部アノテーターに依頼する場合の注意点アノテーション業務の内製化は難しく、外部委託する企業が多いと伝えました。しかし、外部委託した結果、希望の成果物が得られないというトラブルもあるため気を付けてください。理想の成果物を得るためにも、外部委託する際の注意点と解決策を把握しておきましょう。作業の認識のズレが起きる外部アノテーターにアノテーション業務を依頼する場合、曖昧な仕様書を渡すと認識のズレが起きてしまいます。例えば、シシトウガラシにラベル付けをする場合に「シシトウガラシを囲ってください」と記載しているだけでは、どこまで囲めば良いか分かりません。実の部分を囲むのか、茎を含めるのかなどの疑問を与えてしまいます。認識のズレが発生したままアノテーション業務を行ってしまうと、「想像していた成果物が納品されない…」というトラブルを招いてしまうため注意しましょう。解決策:細かな仕様書を用意する作業の認識のズレは細かな仕様書を用意して防止をしましょう。細かな仕様書を作成するのは、想像以上に大変ですが、理想通りの成果物を納品してもらうために必要不可欠です。とくに、アノテーション作業は複数人が同時に行うものです。複数人から相談を受けていたら、コミュニケーションコストが膨れ上がります。そのため、細かな仕様書を作成しておきましょう。このような仕様書作成もAI支援開発会社であれば支援してもらえます。レビュー作業が負担となる外部委託を利用する場合は、教師データの品質に問題がないかレビューします。認識のズレがないことを最初に確認して委託することで、期待する成果物を作成してもらえるため重要な作業です。しかし、クラウド上のフォルダに成果物をアップしてもらい、訂正箇所をエクセルで報告するのは想像以上に大変です。「どの画像のどの部分を修正するか?」を伝えることが非常に難しく感じてしまうでしょう。結果的に、社内で修正した方がスピーディーだと考えに至る企業も多いです。解決策:プラットフォーム上でデータ共有するレビュー作業の効率化はAI開発プラットフォームで実現できます。AI開発プラットフォームを活用すれば、サムネイル表示機能で成果物のラベル付けが誤っていないかを一目で確認できます。また、誤ったラベル付けに対してコメント機能で修正依頼ができます。膨大な数のラベル付けを一目で確認できて、ラベル毎にコメントが添えられるので、コミュニケーションコストが削減できます。想像以上にAIの精度が悪いアノテーション業務は、データ収集とラベル付けが非常に重要になります。例えば、品質の悪いデータは後処理を行う必要があります。後処理をせずにノイズが入った画像を使用すると、AIの精度は大きく落ちてしまうので気をつけなければいけません。このようにAIの精度を上げるためには、教師データの数だけではなく品質にもこだわる必要があります。しかし、外部委託の成果物が悪くてAIの精度が落ちたと悩む企業も存在します。解決策:AI開発支援会社へ依頼する教師データの品質は細かな仕様書とプラットフォームを活用することによる効率化によって一定基準を超えることができます。また、AI開発のプロセスを把握しているアノテーターに依頼した方が要望を汲み取ってくれてより高品質なデータ生成を実現できます。是非とも、AI開発支援会社を活用してみてください。(出典元:AI開発中に外注したアノテーション作業、結局内部で「やり直し」していないか)外部アノテーターを利用する際によくある質問最後に、外部アノテーターを利用する際によくある質問をご紹介します。Q.外注費を安く抑える方法はありますか?AI開発プラットフォームを提供しているAI開発支援会社を利用しましょう。AI開発プラットフォームを活用して、お客様側で進捗管理を行えばマネジメント費がかかりません。マネジメント費は契約金額の10%と言われています。このマネジメント費を削減したい場合は進捗管理を社内で行うようにしましょう。AI開発プラットフォームを活用すれば、マネジメント業務の効率化が行えます。大きな負担となることはないため安心してください。また、少量の教師データ作成を依頼する場合は、従量課金型のAI開発支援会社を利用すると便利です。1枚の教師データを作成したい場合は、定額課金型ではなく従量課金型を選ぶようにしましょう。Q.教師データの品質を保つ方法はありますか?アノテーション業務を外注する場合は、コストの安さを重視しないようにしましょう。マネジメント業務を内製化するなどしてコストを抑えても構いませんが、教師データ品質に係るコストを下げてはいけません。品質チェックの方法には、以下の3つの方法があります。シングルチェックは価格が安いですが、誤ったラベル付けがされてしまう恐れがあります。そのため、高品質な教師データを希望する方はダブルチェックもしくはコンセンサスを実施しましょう。 Q.後悔しない依頼先の選び方を教えてもらえますか?さまざまな依頼先が存在しますが、次のような基準を大切にしてみてください。アノテーションプラットフォームを提供しており、アノテーションにおける認識のズレが出にくいような形になっているかAI開発実績を豊富に保有しているか担当者が経験豊富であり、かつ信頼できる人物であるか品質チェックはダブルチェックを採用しているか1枚の教師データ作成に対応できる従量課金型であるか追加料金が発生する恐れはないかまとめアノテーターの求人を見ると、代行会社が募集していることが多いです。社内でアノテーターを採用し、アノテーション業務を内製化するのは現実的ではありません。しかし、外部のアノテーターに依頼すると想定通りの成果物が得られないとお悩みの企業も存在しました。この記事では、外部のアノテーターを利用する際の注意点を解説しました。外部委託する際の注意点と対処法を理解しておけば、満足度の高い成果物が得られるはずです。ぜひ、この記事を参考にアノテーション業務を外部委託してみてください。アノテーション業務の委託先に迷われた場合は「FastLabel」までお気軽にお問い合わせ頂けると幸いです。参照元記事:note「【AI】画像アノテーションの外注費はいくらが相場か?」