画像認識技術は、デジタルカメラやバーコードスキャンなどに利用されてきました。従来からある画像認識技術ですが、機械学習技術の進歩やハードウェア性能の向上により活用用途が拡大しています。高度な画像認識技術をビジネスに活かして、急成長する企業まで登場してきました。そのため、AIの画像認識技術について理解を深めてビジネスに活かしていきましょう。今回は、AIの画像認識技術の仕組みや種類、活用事例まで詳しく解説します。ぜひ、AI画像認識技術に興味がある方は、この記事を参考にしてください。画像認識技術とは画像認識技術(Image Recognition)とは、画像や動画からオブジェクト(物体)の特徴を検出して認識する技術です。抽出した特徴を変換やマッチングし、目的となる画像を認識します。人間による画像認識は容易ですが、コンピューターによる画像認識を行うには高度な技術が必要です。そのため、画像認識技術による研究が日々行われています。画像認識技術の応用例画像認識技術は、多種多様な業界で応用されています。画像認識技術の応用例としては、次のようなものがあります。【画像認識技術の応用例】OCR(光学文字認識)、車載カメラ、外観検査、人物識別、シーン認識、画像診断、映像分析、商品レコメンドなど画像認識技術の特徴【メリット】画像認識処理を自動化できる一度に大量の画像処理が行えるコンピューターの画像処理技術の性能は日々改善されている【デメリット】画像処理のアルゴリズムに関する理解を深めなければいけないAI機械学習用の教師データが必要画像認識に時間が必要になることもあるAIの機械学習には、膨大な数の教師データが必要となり莫大な労力がかかります。市場規模(出典元:デロイトトーマツミック研究所「AI(ディープラーニング)活用の画像認識ソリューション市場の現状と展望【2020年度版】」)IT市場調査期間のデロイトトーマツミック経済研究所の報告書によると、機械学習技術やハードウェア性能の向上により、画像認識市場は年平均60.8%増加していくと予測されています。2020年度の市場規模は197億8,000万円でしたが、2025年度には2300億円にも拡大すると言われているのです。この調査報告書から分かるように、ビジネスに画像認識技術を積極的に活用していき、業務効率化や生産性向上を狙っていく必要が出てきています。画像認識技術の歴史画像認識技術の歴史を遡ると1949年に誕生した「バーコード」に辿り着きます。パーソナルコンピューターや画像認識ソフトウェアが登場し、精度が上がってきました。2010年代から機械学習技術の進歩とハードウェアの性能の向上により画像認識技術の用途が拡充しました。 画像認識技術の種類画像認識技術は、長い歴史を歩み進化をしてきました。近年、注目を浴びている画像認識技術はニューラルネットワークとAIアルゴリズムです。画像認識技術の活用事例画像認識技術の進歩により、さまざまな企業で活用されています。画像認識技術を活用した新たなサービスが続々と登場しているため、どのようなビジネスに活用されているかを把握しておきましょう。ここでは、画像認識技術の活用事例をご紹介します。Amazon Go無人店舗Amazon Goは、天井に設置したカメラで人物追跡を行っています。また、商品棚の奥に埋め込まれた小型カメラにより、顧客が手に取った商品を把握しています。画像認識技術を活用して顧客の店舗内の行動を把握し、その情報をアプリと紐づけて自動決済を実現。画像認識技術を活用した無人店舗は大きな注目を浴びています。(※日本では、2020年3月にJR山手線高輪ゲートウェイ駅に無人店舗「TOUCH TO GO」がオープンしました。)福岡ソフトバンクホークスプロ野球の福岡ソフトバンクホークスは、高解像度カメラで撮影した選手の走攻守の映像をAI解析できるシステムを導入しました。これまで勘や経験に頼りがちだった選手指導を科学的に切り替えることを発表し大きな注目を浴びています。データを解析することで「フライを捕る際、最短距離よりどの程度の遠回りをしたか?」「守備の上手いショートは投球の瞬間にどのような反応を示しているか」をあぶり出して、根拠に基づいた選手指導を行っています。Blue River Technology(出典元:Blue River Technologyオフィシャルサイト)Blue River Technology社は、コンピュータービジョンとロボット工学を利用した農業用機械を開発している企業です。同社の農業用機械には画像認識技術が搭載されており、農地の雑草を正確に検知できます。この技術を活用して、雑草の箇所のみに除草剤を散布できる農業用機械を実現したのです。農業の業務効率化に大きく貢献する機械として大きな注目を浴びています。Blue River Technologyが開発した農業機械の技術には関しては、公式YouTube動画で閲覧できます。OsakaMetro(出典元:地下鉄OsakaMetoro「顔認証を用いた次世代改札機の実証実験を開始します」)地下鉄OsakaMetroは、画像認識技術(顔認証)を活用した次世代改札機の実証実験を行っています。改札機に備え付けたカメラで顔を捉えて、事前登録した顔写真と照合・承認により改札ゲートを開閉する顔認証決済の改札機の実現を目指しています。次世代改札機は2024年に全駅に導入される予定です。新型コロナウイルスの影響で非接触ビジネスが注目を浴びているため、将来的に顔認証決済の改札機は普及していくことでしょう。ヤマダ電機(出典元:ヤマダ電気オフィシャルサイト)ヤマダ電機では顔認証決済ができる「ヤマダPay」が開発されました。ヤマダPayは、事前に顔画像を登録しておくことで、スマホやクレジットカードを持たずにヤマダ電機でお買い物ができる決済サービスのことをいいます。決済時間を短縮できるとして大きな注目を浴びています。ヤマダPayによる顔認証決済は5店舗で導入されていますが、今後は利用できる店舗が拡大していく予定です。画像認識システムの作り方画像認識システムの仕組みや活用事例を見て、システム開発に興味を持った方もいるのではないでしょうか?どのように画像認識システムは開発されるのでしょうか?ここでは、画像認識システムの作り方をご紹介します。 1.データを収集する最初にAIに読み込ませるためのデータを収集します。データ収集方法には「自社」「BPOサービス」「オープンデータ」などがあります。オープンデータは便利ですが、競合優位性のあるシステムを開発するのであれば、自社やBPOサービスでオリジナルデータを収集しましょう。データ収集は大変な作業ですが、クローラーやアプリを活用すると効率化できます。データ収集に関して詳しく知りたい方は「AI活用・分析には必要なデータ収集が鍵!AI開発で抱える課題とは?」を参考にしてください。 2.教師データを作成する収集データに正解ラベルを付けていきます。このような教師データ作成業務を「アノテーション業務」といいます。画像認識システム開発には膨大な教師データが必要です。アノテーション業務について詳しく知りたい方は「アノテーション業務とは?精度向上と業務効率化を実現するポイント」を参考にしてください。 3.機械学習教師データを活用してAIに機械学習をさせます。機械学習させた後は、必ずテスト評価を実施してください。理想の精度が実現できたら、画像認識システムの完成です。AIは機械学習でデータを蓄積していけば、データに基づき正しい判断が行えるようになっていきます。機械学習について詳しく知りたい方は「AI学習とは?教師あり学習・教師なし学習・強化学習の違い」を参考にしてください。まとめ画像認識技術は昔から存在しましたが、2010年頃からの機械学習の進歩とハードウェアの性能の向上により精度が上がりました。画像認識技術を活用した無人店舗や農業機械など業務効率化に取り入れられています。人材不足が課題の国内では、画像認識技術を活用した業務効率化に益々注目が集めっていくことでしょう。このような便利な画像認識システムを開発するためには、AIに機械学習させるための教師データが必要です。膨大な教師データを社内作成するのは難しく感じてしまうかもしれません。そのような悩みを抱えたら「FastLabel」までお気軽にご相談ください。御社の代わりにオリジナルの教師データを作成しています。ぜひ、お気軽にお問い合わせください。